アレルギーで起こる病気は何がある?
アレルギーで起こる病気のおもなものは、
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性結膜炎
- 花粉症
- じんましん
- 食物アレルギー
- アナフィラキシーショック
などがありますが、その程度はさまざまです。積極的に治療が必要な場合もあれば、生活上の注意だけで普通に過ごせることも少なくありません。
子どものアレルギーの病気は近年減ってきました。それは、ガイドラインといってそれぞれの病気の標準治療方針が示され、我々のようなアレルギー専門医でなくても、一般小児科医が適切な治療を行うようになったからかもしれません。小児の気管支喘息は2000年くらいまでは増え続け有病率6.5%でしたが、2012年には4.7%に減少しています(西日本小学児童調査)。食物アレルギーは、3歳までに症状を認めたのが20.0%、医師の診断があったのが16.5%でした。3歳時点で何らかの食物除去をしているのは9.7%でしたが、最近は早くから食べさせることを勧めているため、除去食の必要な児は減っています。アトピー性皮膚炎も、乳児期早期からステロイド外用を使うのが普通になってきました。2002年の厚労省の調査では、有病率は4か月で12.8%、1歳半で9.8%、3歳で13.2%、小1で11.8%、小6で10.6%となっています。
患者さんのアレルギーの病気を正しく診断し、治療するとともに、アレルギーのしくみを説明し、環境や生活について、正しく指導、助言するのが私たちアレルギー専門医の役目です。アレルギーの病気は、アレルゲンが体にはいってきて反応を起こすので、長い間アレルゲンを排除することが指導の内容でした。しかし最近は、アレルゲンを少しずつ体内にいれて、反応をおこさないようにしながら治していこうという免疫療法が注目されています。