かめさきからの
メッセージ
子供たちにのびのびと健やかに育って欲しい、そういう願いをこめて、ご家族の子育てのお手伝いをしたいと思います。
アレルギーがあっても大丈夫。かゆいのも、咳で苦しいのも、食べられない不便さもなくして、日々の生活を楽しみましょう。
アレルギーでお悩みのご家族のお力になります。
小児科医として
少子化の時代、子育ては難しくなってきています。大家族や地域全体で子どもを育んだ頃とは異なり保護者にかかる負担は大きく、いろんな情報が氾濫しています。ことに子どもが病気になると保護者の皆様の不安は倍増します。
でも子どもは病気をしながら大きくなるものなのです。
たいていの子どもは生き抜く力をもっており、病気をするたびに免疫をつけて強くなっていきます。保護者のかたには、病気のときに何をしてやればよいか、何に気をつけたらよいかをわかって、子どもを見守っていただきたいと思います。ひとつ子どもが病気をのりこえるたびに、保護者の方も親としての自信をつけていくのです。そのためには病状を適切に診断し、保護者の方に安心できるアドバイスのできる小児科医が必要です。
当クリニックでも至急の血液検査やレントゲン検査ができますが、さらに精密検査や専門治療が必要な場合、あるいは入院が必要な場合は、適切な病院をご紹介します。
アレルギー専門医として
アレルギー疾患は増加しています。アトピー性皮膚炎は、乳幼児の10〜18%に、食物アレルギーは乳児の約10%にあります。気管支喘息も増えていて、小学校低学年では約10〜15%にみられます。
アレルギー疾患は、アレルギー体質をベースに、いろんな環境要因が加わって発症します。ですから、アレルギー体質がどのくらい、何に対してあるのか(アレルゲンはなにか)、どんな悪化因子が関係しているのかについて検査を行い、それを正しく評価(これが経験ある専門医でないと難しい)することが必要です。また、環境を整えるための生活上の細かなアドバイスが重要ですし、ちゃんと症状を改善するには、なぜこの薬が必要かを患者さんに理解していただくこと、塗り薬の塗り方や吸入のしかたをちゃんと説明、指導するということが専門医の役目です。病気がなぜ起こっているのかがわからず、もらっている薬がどうして必要か、いつまで症状が続くのか見通しがつかないから、アレルギー疾患のお子さんのご家族は不安になるのです。
でも、子どものアレルギー疾患は、ほとんどが年齢とともによくなります。体質はなかなか変えられませんが、ちょっとした生活の工夫や薬をうまく使うことで、症状をゼロにすることができるのです。
「アレルギーだから治らないよ」とか、「アレルギーだからいつかは治るからほっときなさい」といわれて、かゆみで眠れない、喘息発作でいつ救急病院に走らねばならないか不安、という生活をすることは子どもやその家族にとって大きな負担です。適切な治療で普通の生活ができるのです。
アレルギーの研究は進んでおり、10年前の常識や治療が変わってきています。2008年に「二重抗原暴露説」という概念が出てきてから、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係について、大きく発想の転換がありました。つまり、皮膚の湿疹が持続することにより、バリア機能の低下した皮膚から食物アレルゲンが入ってIgEを作ってしまうのですが、IgEがあっても、早くから食品を摂取することで、逆に食物アレルギーを予防できるのです。これを証明する事実が次々と報告されてきたのです。ですから、乳児の湿疹、アトピー性皮膚炎は早く治療して、離乳食は遅らせずに5か月から開始、検査でIgE値がすこしあるからといってむやみに除去をしない、ということが2021年現在の最新の考え方です。2017年に小児アレルギー学会もこういった提言を出していますが、なかなか一般の医師には浸透していないのが現実です。
当クリニックのアレルギー治療は、どの疾患についても専門学会のガイドラインに従ったものです。医師独自の方法や特殊な治療ではありません。専門病院でたくさんのアレルギーの患者さんの入院・外来治療にあたり、またアレルギー教室で患者さんたちと話し合ってきた経験に根ざしてやってきた治療・指導です。そして目標は、子どもたちがアレルギーがあってもハンディなく生活し、のびのび育ってくれることです。
アトピー性皮膚炎の治療にはステロイド外用薬を使いますし、漢方薬治療は行っておりませんのであらかじめご了解ください。