新年の岡山同窓会

先日、岡山で、私が医師の研修を受けた国立岡山病院小児医療センターの同窓会がありました。医学部を卒業すると研修医となって、病院でいわゆる修行をして、一人前の医師になっていくわけですが、私が医学部を卒業した30年前は、ふつう、希望する科(内科とか外科とか)を決めて、卒業した大学のその科に入って、教授のいうままあちこち病院に赴任して研修するのが一般的でした。現在は研修システムが変わって、いろんな病院のさまざまな研修プログラムを自分で選択できるのですが、昔は大学に関係なく一般病院の研修に入るというのは少数だったのですね。私が地元熊本大学に残らず岡山に行ったのは、小児科医になるために早くいろんな勉強をしたかったのと、地元では開業している父とすでに大学の小児科にいる兄がいたので、熊本を離れたかったのです。
当時国立岡山病院は、山内逸郎先生という日本の新生児・未熟児医療の草分けである素晴らしい先生がいて、日本全国から勉強をしたい若い熱い医師たちが集まっていました。私はとくに新生児医療を目指していたわけではないけど、当時の国立岡山病院には大学にはない自由な雰囲気があふれていて、たくさんの患者さんたちに勉強させてもらえて、厳しかったけど本当に楽しい研修生活で、私の小児科医としての原点はここにあると思います。学閥もなくみな今でもつながりがあり、山内先生は引退後病気で亡くなったのですが、弟子たちがいまも何年かごとに同窓会を開いています。
今回参加すると、先輩たちのなかで、5人も教授になっており、皆それぞれ日本全国各地で活躍中でした。山内先生の一番弟子で小児外科医A先生は昔から元気で熱血漢でしたが、大学の教授、国立病院院長を引退して70過ぎてもなお元気で、いまでも5mmの血管をつないで手術をしてるぞ、と意気揚々でした。ほんとにいい先輩、いい同胞、いろんな方々に助けられて医者になってこれたと思います。患者さんに向き合う姿勢、思い、心のかけかた、大切なものを学んだ岡山での研修医生活は、おしゃれもデートもなかったけれど楽しい充実した青春でした。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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