和歌山にて

週末、和歌山で行われた日本小児臨床アレルギー学会に行ってきました。行くときは台風が来ていて大雨でしたが、途中で和歌山はそれたようです。小児科のなかでもアレルギーを専門にやっている医者、看護師、栄養士、薬剤師、教師など多職種の集まる学会です。

私と同じく、アレルギー専門の小児科を新潟で開業している田中先生の発表は、乳児で湿疹があると3か月から卵の感作が出てきて月齢がいくほど進んでいく、というものでした。だから早くからステロイド外用で湿疹をよくしないと卵アレルギーになっていくということを強く主張できるのです。まさに、私が実感し、検査をして感じていることでした。これをちゃんとまとめて報告する彼は偉いです。病院勤務の専門医は、2-4か月の乳児の湿疹を診る機会は少ないのです。よほどの重症でなければ、患者さんは近くの小児科診療所に行くからです。でも専門医でなければ検査はしません。アレルギー検査は高額なので小児科の包括医療をしていれば赤字になるし、なにより、その時期のアレルギーの検査値をどう評価したらいいか経験がないからです。私もみんなに検査をするわけでなく、早くから湿疹の治療をして、離乳食開始まで症状がよくならなければ、ご家族と相談して検査をしています。検査値によって、根拠を持って薬の使い方や離乳食の計画を立てることができるのです。

羽曳野医療センターからは、長引く食物アレルギー児の予後の発表がありました。6歳以降でまだ卵・乳・小麦の除去をしていた子でも、8年後(高校生~大学生になるころ)に調べると、卵で68%、乳で66%、小麦で80%の子が、摂取できるようになっていたとのことです。当科にもなかなか食べるものが増えていかない重症の食物アレルギー児がたくさん来ていますが、気長に成長を待ちながら食べ続けましょうね、と患者さんやご家族をはげませるようなデータでした。
台風が去って週があけると猛暑です。暑さに負けずにみなさん頑張りましょう。

夏休みでたくさんの患者さんの予約が入っていますが、午前中の小児科外来も満杯で、待ち時間が長くなり、予約時間もずれ込んでいます。休み時間ゼロで診療しなるべく待ち時間を減らすように努力していますが、患者さんへの説明は省略できません。当科専門性をご理解いただきご了承ください。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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