マスクいろいろ

6月になって園や学校が始まると、いつものように発熱やかぜや、夏によくはやる胃腸炎など子どもたちの不調で、患者さんが増えてきました。長いステイホームから生活が変わって、精神的にしんどい子どもたちも増えています。

街にも電車にも人は戻ってきましたが、生活は前のようではありません。多くの人がマスクをしています。今からの暑い時期に熱中症が心配です。マスクは自分の唾液から人への飛沫感染を防ぐために有用ですが、自分が感染しないようにするためには顔全体を覆うフェイスシールドでないと効果がないそうです。やはり密を避けて、手洗い・消毒をまめにするのが感染防止にはいちばんです。

日本で感染者も死者も少なくすんでいる一つの理由に、マスクをすることに抵抗がない国民だからという説があります。欧米では医療関係者以外、一般の人がマスクをして歩くことはありません。それについて興味深い話を読みました。日本では、感情を表現するのに目を重視して、目元で感情表現をすることが多く、「目は口(言葉)ほどにものをいい」ということわざもあります。ところが欧米では、感情表現は口元でするもので、だから口元を隠していると怪しい、顔を見せたくない、犯罪者か?と怪しまれるのですって。目と口であらわすニコニコマークも、欧米のものは口の部分が大きく表現され、目はてんてんだそうです。そういえば、日本では、人がマスクをしていても、花粉症かかぜかな?と思うだけですが、黒いサングラスをしているほうが、怪しい、やくざか?顔を隠している、と思いますよね。欧米ではマスクが怪しい奴で、サングラスに抵抗なし。文化の違いというものは面白いものです。さすがにニュースで見る最近の欧米の街はマスクをしているひとが増えましたが、潜在的にマスクに抵抗があるとないとでは、感染予防に大きく差があるのもうなずけることです。

マスクも一時の品不足が解消されてきて、最近は夏用とか涼しいものとか、機能やデザインにこだわるものが増えたようです。患者さんの親子も、いろんなデザインのかわいい手作りマスクが楽しいです。私は外来で、たくさんお話しすることが多い立場なので、紙のマスクでは、話しているうちに息がしにくくなり、患者さんが診察室を出て行かれるたびにマスクをとって大きく深呼吸しています。むかしダイビングで、海から上がって水面でぷはーと大きく息をした時のようです。そもそもマスクをしてたくさん話す、ということは想定されてないのです。最近ポリウレタン製のマスクを使ってみたら、鼻と口に空間があって、あまり苦しくなりませんでした。百貨店には、絹仕様の軽くて、涼しい手作りマスクも売っていました、高かったけど。それにしてもアベノマスクには腹が立つ、皆さん、使えてますか?200億円以上の税金であのマスクでっせ?

とにかく、マスクとともに過ごす夏になりそうです。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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