今月の独り言
声が出ません
7月になって、子どもの発熱疾患が増えたところに、新型コロナの感染が急増して、うちの診療も大変な状態になってきました。
RSウイルスは本来秋から冬に流行するウイルスでしたが、コロナ感染対策のせいか、2020-21年度は、RS もインフルエンザもほとんど流行がなく、ある一定の割合で維持されているウイルス抗体が激減したせいでしょう、大流行になりました。RSは夏になっても増加し、重症化する乳児では今季7-8人入院を依頼しましたが、どこの小児病棟も満床で、受け入れ病院を探すのが大変でした。
そのうちに子どものコロナ感染も増えてきました。一般外来で発熱を診ているとコロナ感染が紛れ込んでいる可能性があり、だからといって完全防備体制でずっと外来をするわけにもいかないので、今週から発熱の患者さんは時間と定員を決めて外来を区分しました。もともとコロナ検査をするための発熱外来ではなく、定期でくるアレルギーの患者さんや周辺のよく受診されるお子さん対象の発熱区分外来なので、初診の熱の患者さんはご遠慮いただいてます。
外来が忙しくなり、気を遣う熱の患者さんの診察・検査・診断が増えたため、医者もスタッフもぎりぎりで頑張っていますが、かなり限界にきています。私は先週末に熱ものど痛もないのに声が嗄れ始めました。外来でしゃべると悪化して声が出なくなります。あまりに続くのでコロナの抗原検査を2回、PCRもしましたが皆陰性でした。のどに感染するウイルスをもらって、しゃべると安静にならないのでよくならないということのようです。3日くらい黙って過ごせば治ると思うのですがこの状況でそうはいかないし。しゃがれ声で説明が終わると、患者さんの親御さんが、先生お大事に、と言って帰られます。どちらが患者かわからへん(苦笑い)。
スタッフも頑張ってくれています。なんとか、我々が感染せずに、診療が続けられたらと願っております。少々行き届かないところがあってもご容赦くださいませ。
私の推し
新型コロナ感染が拡大してもう2年、気の合う仲間や友人と飲んだり食べたりしゃべったりということで、日ごろのストレスを解消し、新しい情報を得て、医師仲間には自己承認欲求を満たしてもらってきた私には、まだまだ日常が戻っておりません。さみしいなあ。
そこでひとりで好きになって推しにはまる、という逃げ道があります。しかし趣味や楽しみは人によってそれぞれで、自分にすごい“推し”があっても、興味のない人にはなんだ?ってことありますよね。あまり人に熱く語って迷惑をかけないように気をつけています。
もともと昔から漫画は大好きでした。「鬼滅の刃」が推しなのは、クリニックのあちこちにグッズが並べてあってご存知の方も多いでしょうが、全国的にヒットして、子どもたちだけでなくお母さま方もファンが多く、共感が得られてうれしかったです。漫画が終了しても私の中でお話は生き続けていますが、次期作のアニメまではちょっと周囲の熱は冷めているようです。でも動画で鬼滅の柱たちが踊っているMMDはまだまだ楽しいですよ。今旬でおもしろいのは「SPY×FAMILY」で、原作漫画もいいけど、アニメのアーニャがめちゃかわいいです。
クイーンも大好きで、楽曲をよく聞いていますが、先月末は「QUEEN大花火大会」に行ってきました。花火大会もあちこちで中止が続いていますが、これはクイーンの曲に合わせた打ち上げ花火1万4千発?(数えてない、当たり前だ!)が圧巻でした。
映画も最近は家でも見られるそうですが、話題作や大画面で見たいのは映画館に行きます。車で10分なので結構出かけていきます。去年は、アカデミー賞取る前に「ドライブマイカー」を観ました。それからマニアックなので知らないでしょうが「Dune砂の惑星」がよかった!有名な昔からのSFの古典ですが、すごいファンタジックな映像でした。先月は「シンウルトラマン」、私は初代ウルトラマンをテレビで見て育った世代ですが、着ぐるみのウルトラマンがこうして現代で同じように戦っていて、地球規模で政府とか科学特捜査隊とかまじめに取り組んでいるのがおもしろかった。そして今日「トップガン マーヴェリック」を観てきましたが、1985年にトム・クルーズが主演した「トップガン」の続編。トム・クルーズ、もうすぐ60歳なんですよ!不可能なミッションに挑む若い戦闘機乗りたちを指導する教官役なんですが、本当にみな5か月の訓練を受けて撮影したという空中戦の映像がすごい!かっこよかったー!
ほら、熱く語るとなんのことやらわからんという方にはご迷惑ですから撤退。でもこうして仕事への鋭気を養っております・・・・・。
5月のウイルス
4月から保育所に行き始めた子どもたちが、1週間くらいすると風邪をひいて、しばらくすると熱を出す。これは、集団生活に入っていろんな感染症をもらうので、小児科ではごくあたりまえのことです。感染力が強いウイルスに関しては検査ができ、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ロタウイルス、ノロウイルスなどは診断ができます。でも、インフルエンザは抗ウイルス剤で飲み薬も注射もあるので診断がつけば処方して、発熱期間を減らし、合併症を減らすことができますが、ほかのウイルスには特効薬がありません。ただ、診断がつくと、熱や症状の続く見通しがたつし、気をつけることを家族にお話しすることができます。でも多くのウイルス感染は、保険の効かない特別な検査をしないかぎり、何のウイルスかは診断がつかず、結局ひとつひとつ抗体を作って免疫をつけていくしかないのです。
2-3月は子どもたちのあいだで新型コロナウイルスも多かったですが、この1か月は、発熱者が日に10人弱いるとしても、コロナ感染は週に2-3人とずいぶん減っています。普通の風邪のほうがずっと多くなり、やっと日常に近くなりました。
それから、鼻水も咳も、病原体を体から出そうとする生体反応です。鼻水がつまって眠れなかったり、咳き込んで眠れなかったりすればすこしお薬もいるでしょうが、飲んでぴたっと咳や鼻水が止まる薬は小児科では、実はないのです。本人が困ってなくって眠れていて食欲があって機嫌がよければ、そうそう慌てることはありません。
保育園・幼稚園に行き始めた子どもたち、子どもの熱で呼び出されたり、仕事をやりくりしなければならないお母さん、お父さん、がんばれ!