暑い暑い夏

新型コロナもまだ流行中のうえに、8月はこのものすごい暑さです。通常ならお盆を過ぎると朝夕涼しくなるのに、今年はいっこうに夏が終わりません。豊中市では小学校の夏休みが短縮されて、8月7日まで授業があり、朝8時過ぎ、もうすごく暑い中で子どもたちが列を作って集団登校する姿がちょっとかわいそうで、熱中症を心配しました。2週間の夏休みが終わって今週からまた学校開始ですが、まだまだ暑い中、子どもたちの体力のみならず精神面が心配です。長いステイホームのあと、始まった集団生活で、不適応だったり精神的に不安定だったりうつ気味だったり感情の起伏が激しかったりという子どもたちが少なからずいるようです。悩んだり心配したりするお母さん方もいらっしゃいました。大人でもこの半年間の状況はつらいですよね。子どもたちはなおさらです。いちばん、人と接して触れ合って社会性やいろんな気づきを学ぶ時期に、ソーシャルディスタンスってねえ。

夏の感染症も今年は少なかったです。あともうすこし、暑さをしのいでなんとかがんばりましょう。今のようなコロナ感染対策をしていると、実はほかの感染症対策にもなっていて、この冬インフルエンザもあまり増えなければいいなと思います。10月からインフルエンザは予防接種が始まる予定ですが、いつからどのくらい入手できて開始できるか、まだ未定です。決まりましたらHPでお知らせしますね。

夏のコロナ、夏の皮膚

7月も終わりですが、今年は学校の夏休みは延期になり、まだ通学している子どもたちが多いですね。園や学校が始まって集団生活になると、いろんな感染症が流行ってきました。鼻水が長く続く上気道炎、熱がぽんと上がって1-2日で下がる咽頭炎が多いですが、最近下痢・腹痛の胃腸炎もぱらぱらあります。皆軽いです。高熱が続くアデノウイルスやプール熱はまだ見かけません。マスクや手洗いで、ほかのウイルス感染も抑えられている可能性があります。

全国的にコロナ感染も増えて深刻な状況ですが、春の頃と違って政府も行政も緊急事態宣言は出さず、なんとか経済を回そうと、外出・宴会の自粛の「お願い」のみです。GO TO トラベルもしながら。矛盾しているなあ。医療崩壊は目の前で、早晩重症者は増えてきます。医療従事者の負担や、病院の経済的損失も増えるばかりです。政府は使えないマスクをまだ配るのだそうです。その247億円は医療にまわしてほしい!子どもに関しては、重症はほとんどなく、無症状者も多く、子どもたちの中だけの感染もほとんどないということがわかってきました。最初に学校の一斉休校から始まったのはまったく科学的根拠がなかったわけです。誰が言ったのかしらんけど。日本の政治ってなんの根拠に基づいてだれが責任をもってやっているのでしょう?

外来では、夏の暑さに伴って、あせもや掻き壊しやかゆみや虫刺されなど、皮膚の訴えが増えてきました。アトピー性皮膚炎の患者さんにとっても夏の暑さや汗は悪化因子です。外でもまめに汗を拭いて、外から帰ったらシャワーで汗を流して、おむつや服はまめに着替えさせましょうね。髪の毛もおでこや耳や首にはりつくとかゆみを増します。散髪をするか、髪の毛をあげて風通しをよくしましょう。ちょっとした工夫でかゆみを減らすことができますよ。

マスクいろいろ

6月になって園や学校が始まると、いつものように発熱やかぜや、夏によくはやる胃腸炎など子どもたちの不調で、患者さんが増えてきました。長いステイホームから生活が変わって、精神的にしんどい子どもたちも増えています。

街にも電車にも人は戻ってきましたが、生活は前のようではありません。多くの人がマスクをしています。今からの暑い時期に熱中症が心配です。マスクは自分の唾液から人への飛沫感染を防ぐために有用ですが、自分が感染しないようにするためには顔全体を覆うフェイスシールドでないと効果がないそうです。やはり密を避けて、手洗い・消毒をまめにするのが感染防止にはいちばんです。

日本で感染者も死者も少なくすんでいる一つの理由に、マスクをすることに抵抗がない国民だからという説があります。欧米では医療関係者以外、一般の人がマスクをして歩くことはありません。それについて興味深い話を読みました。日本では、感情を表現するのに目を重視して、目元で感情表現をすることが多く、「目は口(言葉)ほどにものをいい」ということわざもあります。ところが欧米では、感情表現は口元でするもので、だから口元を隠していると怪しい、顔を見せたくない、犯罪者か?と怪しまれるのですって。目と口であらわすニコニコマークも、欧米のものは口の部分が大きく表現され、目はてんてんだそうです。そういえば、日本では、人がマスクをしていても、花粉症かかぜかな?と思うだけですが、黒いサングラスをしているほうが、怪しい、やくざか?顔を隠している、と思いますよね。欧米ではマスクが怪しい奴で、サングラスに抵抗なし。文化の違いというものは面白いものです。さすがにニュースで見る最近の欧米の街はマスクをしているひとが増えましたが、潜在的にマスクに抵抗があるとないとでは、感染予防に大きく差があるのもうなずけることです。

マスクも一時の品不足が解消されてきて、最近は夏用とか涼しいものとか、機能やデザインにこだわるものが増えたようです。患者さんの親子も、いろんなデザインのかわいい手作りマスクが楽しいです。私は外来で、たくさんお話しすることが多い立場なので、紙のマスクでは、話しているうちに息がしにくくなり、患者さんが診察室を出て行かれるたびにマスクをとって大きく深呼吸しています。むかしダイビングで、海から上がって水面でぷはーと大きく息をした時のようです。そもそもマスクをしてたくさん話す、ということは想定されてないのです。最近ポリウレタン製のマスクを使ってみたら、鼻と口に空間があって、あまり苦しくなりませんでした。百貨店には、絹仕様の軽くて、涼しい手作りマスクも売っていました、高かったけど。それにしてもアベノマスクには腹が立つ、皆さん、使えてますか?200億円以上の税金であのマスクでっせ?

とにかく、マスクとともに過ごす夏になりそうです。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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